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  ニッコーの遺伝子 > #1 「開発ヒストリー Nikkoの強みを活かして、ヒートアイランドに挑む!遮熱性舗装ブロック「ランドサーマス」

 

Nikkoの強みを活かして、ヒートアイランドに挑む!
遮熱性舗装ブロック「ランドサーマス」


2011年5月、日本興業では、都市部におけるヒートアイランド現象を緩和するための※遮熱性舗装ブロック「ランドサーマス」を発売しました。「ランドサーマス」は、日中の路面温度を低減するだけでなく、夜間の放熱も少なくできるため空調負荷を下げる節電効果も期待できる舗装ブロックです。
「ランドサーマス」について、3回シリーズで詳しくご紹介していきます。
第1回目は、遮熱性舗装ブロック「ランドサーマス」誕生までの開発ヒストリーをお届けします。

※遮熱性舗装とは、物体に最も吸収されやすく、路面を加熱する太陽光中の赤外線を遮断することで蓄熱を軽減、舗装面の温度上昇を抑制するものです。

【開発目的】 舗装面からヒートアイランド現象を緩和

近年、都市中心部の気温が郊外に比べて高くなるヒートアイランド現象が、大きな社会問題として注目されています。
その原因の一つに、都市面積の約20%を占めるアスファルト舗装の高温化があります。
日差しの強い夏の日、太陽に熱せられた路面温度は日中60度に達することもあり、蓄熱された熱が放出されるため熱帯夜の原因になっています。

ブロック舗装では、※透水性ブロック※保水性ブロックなどにより、ヒートアイランド現象への対策を進めてきました。

これらは自然の降雨条件に左右されるという問題点があることから、深刻化するヒートアイランド現象に対して、日本興業が持つノウハウと開発力を活かし、更に温度低減効果が期待できるブロックを作れないかとの声があがりました。

※透水性ブロックは、隙間が大きいことで蓄熱されにくい効果があります。
※保水性ブロックは、雨水などを吸水して蓄え、水分が気化する時の冷却効果、いわゆる打ち水効果により路面温度低減を図ったものです。


【開発プロジェクト始動】 遮熱機能を舗装ブロックにプラス。

舗装ブロックによる路面温度の低減を目的に開発プロジェクトが始動しました。
透水・保水機能に遮熱機能をプラスする方向で様々な新素材を検討。路面温度上昇の一番の要因である赤外線を効率よく遮断できるものがないかと試行錯誤が繰り返されることとなりました。

【停滞期からの脱出】 期限付きで開発を迫る営業からのプレッシャーがバネに。

開発チームが試行錯誤を繰り返していた2010年夏、記録的な猛暑が日本を襲います。都市部では熱帯夜が続き、改めてヒートアイランド現象に世間の注目が集まりました。
そんな中、ついに営業本部より開発期限が切られます。
「2011年春には商品化すること!」。

本部からのプレッシャーに開発チームは奮起。
実用性の高い遮熱材料の選定により一気に開発スピードが加速し、2011年2月には試作品が完成。
発売に向けて温度低減効果をはじめとした様々な品質テストを経て、2011年5月、※「ランドサーマス」と名付けられた新製品が発表されました。




※「ランドサーマス」
は「都市を冷ます」との製品コンセプトから開発チームにより名付けられました。

【ランドサーマス誕生】 「環境」と「景観」と「人」に配慮した画期的な新製品の誕生

完成した遮熱性舗装ブロック「ランドサーマス」は、赤外線を遮る材料をコンクリート中に練り込むことで、日射による蓄熱を抑え、ブロック表面の温度上昇を低減します。
その温度低減性能は、室内照射試験によると、アスファルトが60度のとき、「ランドサーマス」の表面温度は45〜48度を示し、12〜15度の温度低減効果が認められました。

室内照射試験による各種舗装材料の表面温度変化



室内照射試験は、試験帯(寸法30×30×6cm、周囲・壁面を断熱)上にビームランプ(120W、蜜粒度アスファルト試験体の中央表面温度が照射210分で60度になるよう高さを設定)を設置し、室温20度の条件にて行った(遮熱性舗装技術研究会の試験方法を参考)。アスファルトが60度のとき、ランドサーマスの表面温度は45〜48度であり、12〜15度の温度低減効果が認められた。
(金沢工業大学地域防災環境科学研究所 円井研究室)

また、「ランドサーマス」は、遮熱材を表層部全体に練り込んでいるため、表面が摩耗した際にも、温度低減効果にほとんど違いがないことが確認されています。

ランドサーマス摩耗想定品の照射試験


 
 遮熱材料をコンクリートに練り込むという、今までにない技術開発によって完成させた「ランドサーマス」。
 そこには、もう一つの「オンリーワン要素」があります。「景観」と「人」に配慮したカラーバリエーションです。

「ランドサーマス」のカラーバリエーションは、グレー系とブラウン系のカラーに3段階の明度差を設けた6色をラインナップしています。

路面温度は明度に影響があることが知られています。単純に明るい色ほど赤外線を遮断する効果が高く、温度低減にもつながるのです。

しかし、開発チームは、環境を考慮しつつ、景観にも調和するような自然で落ち着いた色で温度低減効果を追求しました。
その効果は、アスファルト表面が60度に達したとき、従来品と比べて、同じ明度でも5度程度の温度低減効果が確認できています。

明度と表面温度との関係

さらに中明度のカラーにこだわったのは、人への配慮として点字誘導ブロックとの明度差を確保するためでもありました。

機能性だけでなく、あらゆる環境と景観と人に配慮したバランスの良い製品を追求して誕生した遮熱性舗装ブロック「ランドサーマス」。
都市部のヒートアイランド現象の抑制により、エアコンによる電力需要の低減(節電)にも貢献していきたいという想いから、積極的に各自治体へのご紹介を展開。現在、関東地区を中心に多くのプロジェクトで、ご採用を検討いただいています。

次回は、遮熱性舗装ブロック「ランドサーマス」の製品特徴について詳しくご紹介します。

開発プロジェクトチーム主担当・津郷俊二
開発部都市環境開発チーフ